『きみのお金は誰のため』を読んだきっかけ
Audibleで聴きたい本を探していたとき、ふと目についたのがこの本でした。
サムネイル画像には『日本中で大反響!15万部早くも突破!!』と書かれていて、これは読んでみるしかないな・・・という気持ちになり、聴き始めた次第です。
読後の変化|お金の流れが水のように見えるようになった
本文の中で「ボス」が、お金の流れを水にたとえて説明する場面があります。
お金を支払うとき、「お金が減ってしまった」と感じていたのが、これまでの私。通帳の額面を見たときも同様で、「増えた・減った」と数字だけを見て理解していました。
しかし、この書籍を読んでからは、「あ、お財布からお金が流れていったな~」とか「お財布にお金が流れこんできたな~」という“イメージ”を持てるようになったのです。
「お金は天下の回りもの」とは、まさにその通りなのだと思います。
お金は「貯める」よりも「巡らせる」
お金はついつい貯めたくなるし、貯まると嬉しくなるもの。一方で、減れば不安になり、将来に対する焦りが生まれがちです。
たしかに、個人の視点ではそう感じるのは自然なことかもしれません。しかし、社会全体で見てみると・・・必ずしも「貯める=正解」ではないのか?と気づきました。
お金は「稼ぐより「使う」ほうが難しい。そんな当たり前のことを学んだ気がします。
現代日本の課題として、労働力の低下
たとえお金をたくさん持っていたとしても、労働力がなければ、それを使うことすらできません。
- お店で働くひとがいない
- 農業や酪農を営むひとがいない
- 土木建築系の職人さんがいない
- 清掃業者で働く人がいない
- 林業をやる人がいない
- 工場で働く人がいない
思いつくままに挙げてみましたが、想像しただけでも社会の機能は成り立たなくなってしまうと感じます。
お店は閉まり、花壇は草で覆われ、街路樹には虫がつき、ゴミは集積所からあふれ・・・。想像しただけでゾッとします。
このままでは、日本の未来は本当にこうなってしまうかもしれません。どんなにお金を持っていても、豊かな暮らしは成り立たない。
食料が買えなくなれば、田舎の農家さんに分けてもらうしかないかもしれない。あるいは、自分の庭に畑を耕すことになるかもしれません。
でも、お米は?小麦粉は?
素人が一朝一夕に作れないものもたくさんあるのです。
日本の労働力の低下は本当に深刻だと思うと同時に、「働いてくれている人がいるおかげで社会が回っている」ことを実感し、感謝の気持ちが湧いてきました。
「金を払ってやってんだからやって当たり前」といった態度は、言語道断だと思います。
現代社会は「手触り」が薄れている
本書の中で語られていた「社会に手触りがある」という言葉がとても印象に残りました。
かつては、誰かの顔が見える距離で働き、商売をし、感謝の言葉を交わすことが当たり前でした。でも今は、スマホひとつで買い物ができ、誰とも会話を交わさずに完結してしまいます。
その結果、「その商品がどのようにして作られ、どれだけの人の労働が関わっているのか」を想像するのが難しくなりました。その代わりに、「高い・安い」や「価値のある・なし」といった、価格中心の見方で判断するようになってしまった気がします。
知らず知らずのうちに、「人々の労働が社会とどうつながっているか」を感じにくくなっているのかもしれません。
それでも、お金の流れや仕事の意味を見直すことで、「人の働き」と「社会のつながり」を再び感じ直すことができるーーそんな気付きを、この書籍から得ることができました。
感想まとめ|お金・社会・働くことを見つめ直す一冊
『きみのお金は誰のため』をAudibleで聴いたことで、お金の見え方が変わりました。
お金=水のように流れるものとイメージできるようになり、減った増えたの数字以上に、流れや人々のつながりに目が向くようになったのです。また、お金の価値は“労働”があってこそ成立するということも、強く実感しました。
社会の中で誰かが働いてくれているからこそ、自分の生活が成り立っているーーそう気づくだけで、日常の見え方が変わります。
そして、お金をもらう労働だけでなく、家事や育児なども同じく労働である、ということが書かれていて、長い間専業主婦として生きてきた私は少し安心しました。
お金、社会、そして“働く”ということについて、じっくり考えるキッカケを与えてくれる一冊です。
少しでも気になったかたは、ぜひAudibleで聴いてみてください。

もりー
最後までお読みくださり、ありがとうございました!