夜、寝る前。

私には読書習慣があります。

読書は私にとって、睡眠導入剤のようなもの。

だから、本のジャンルを選ぶ必要はありますが、逆に、枕元に本がない生活は考えられません。

そんな私がたまたま書店で手に取ったのが、野田祥代さんの『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』でした。

カバーには、こんな言葉が書かれていました。

空を見上げる余裕もない夜がある。

小さなことで疲れたり、つまずいたり、心が曇ってしまうこともある。

そんな時、宇宙に思いを向けると、不思議と悩みが遠ざかる気がする。

本書は、宇宙の生い立ちや星の一生、宇宙の構造といった科学的知識をやさしくひもときながら、人間の存在を宇宙のスケールで見つめ直す視点を提供する。

人間の存在は小さい。だが、その小ささにこそきっと意味がある。

引用元:本書カバーより

この文章を読んだ瞬間、「これだ!」と直感し、まっすぐレジへ向かいました。

とても小さな地球に、生命があるという奇跡

この本を読んで、まず強く印象に残ったのは、この地球という星が、宇宙の中では驚くほど小さい存在だということです。

広大な宇宙の中で見れば、地球は本当にちっぽけな存在。

それなのに、その小さな星に、生命が生きている。

それ自体が、奇跡のような出来事なのだと改めて感じました。

近年は、地球温暖化という言葉をよく耳にします。

もちろん、地球にやさしい選択をすることは大切です。

でも、広い宇宙そのものが、ずっと変化し続けている。

地球も宇宙の一部なのだから、影響を受け、変化しないわけがありません。

人間の力でできること。
人間の力を超えた大きな流れ。

その両方があることを、忘れてはいけない気がしました。

この本のいちばんの魅力は「わかりやすさ」

この本の魅力をひとつ挙げるとしたら、「わかりやすさ」だと思います。

宇宙の話というと、どうしても難しそうな印象があります。

しかしこの本では、とても具体的な例えが使われているため、広大な宇宙を身近に感じられます。

たとえば、地球と太陽の距離。

地球が地球儀なら、
太陽は4キロメートル先にあるプール

『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』 より

どうですか?

この1文をたった1度読んだだけで、すぐにピンとくる人はどれくらいいるでしょうか。

私は何度も頭の中で反芻しました。

けれど、何度も反芻するうちに、実感がジンワリと染み込んでくる感じがして、それがとても心地よかったのです。

ほかにも、光の速さについて。

私たちは、
8分前に太陽を出発した日光に照らされているのです。

引用元:同書より

今、ここに届いている光が、8分前に太陽を旅立ったものだと知ったとき、時間の感覚が不思議なものに変わりました。

太陽にも寿命があるという事実

普段の生活の中で、太陽の「最期」について考えることは、ほとんどありません。

でも、この本には、こんなふうに書かれています。

太陽が地球を飲み込むかどうかは、まだわかっていません。

でも、飲み込まれないまでも、太陽が膨らんで地球に近づいてくれば、いずれにせよ、地球がカラカラに干からびてしまうでしょう。

太陽と一緒に生まれた地球は、太陽と運命を共にするのです。

引用元:同書より

諸行無常という言葉は、この地球で生まれたもの。

でも、この広い宇宙でさえ、諸行無常なんだなぁ・・・と、ボンヤリと受け入れた私です。

太陽も、この地球も、とてつもなく長い時間をかけて、ほんのわずかな変化を積み重ねながら、すべては終点へと向かっています。

それでも人は、今日も、明日も、夢を抱き、ときには絶望しながらも、何かを創造し続けている。

そう思うと、日々の私たちの営みが、とても逞しく感じられました。

ものすごく衝撃的だった水の話

私にとってものすごく衝撃的だったのが、「水」の話です。

調べてみると、全体の97%以上はどうやら海水のようです。

ほとんどがしょっぱい水。

しょっぱくない淡水は残りの3%弱で、地球上の水のほんのわずかです。

さらにその3%の淡水のほとんどは、氷河や、深いところにある地下水です。

いろいろ差し引くと、地球全体の水のうち川や湖など私たちが利用できそうな水は、たった0.01%になってしまいます。

引用元:同書より

どうですか?

途方もない数字に、なんとも言えない気持ちになったのは私だけでしょうか。

ちなみに、0.01%はどれくらいかと言うと、

家のお風呂にはいった水が地球全体の水なら、
私たちが手にできそうな水は、
大さじ1杯くらい

引用元:同書より

なのだそうです・・・!

さらにこのように続きます。

私たちは、この本当にちょっとだけの量をみんなで分けるしかないのです。

もちろん「みんな」といっても、私たち人間だけではありませんね。

引用元:同書より

いかがでしょうか。(2回目)

毎日、当たり前のように使っている水。

特に日本は恵まれている水。

でもそれは、宇宙的な視点で見ると、本当に、ほんのわずかしか存在しないものなのだと知りました。

宇宙の話でありながら、とても現実的で、生活に直結する気づきでした。

まとめ|小さな自分を宇宙の中に置いてみる

宇宙は広く、人間はとても小さい。

でも、この本を読み終えたとき、その「小ささ」は、虚しさではありませんでした。

悩みや不安に囚われそうになったとき。

いまの自分から、ぐわ~んと距離を取って、とても高いところから自分を見下ろすイメージをしてみる。

そんなふうに自分を見つめ直すことで、肩の力が、ふっと抜けるように感じられました。

『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』は、とても現実的でありながら、悩みを軽くしてくれる視点を与えてくれる一冊です。

もりー

最後までお読みくださりありがとうございました☆