宮口幸治先生の『歪んだ幸せを求める人たち』は“あの人はどうしてそんなに意地悪なことをしてくるのだろう”という一文から始まります。

人は多かれ少なかれ“幸せになりたい”という欲求をもっている生き物だと思います。

しかし、その欲求が“歪んだ形”で表れたとき、日常のトラブルや嫌がらせ、時には犯罪にもつながることがある・・・そんなことを教えてもらえた1冊でした。

本書では、誰もが陥るかもしれない“歪んだ幸せ”のメカニズムを丁寧に解説されています。

この記事では、私が読んで感じた学びと、日常に活かせる気づきをまとめてみました。

“歪んだ幸せ”とは何か

程度の差こそあれ、人間は誰もが「幸せになりたい」という欲求を持っているものだと思います。

問題は、幸せになりたいがゆえに歪んだ幸せを求めてしまうこと。 これは誰にも起こり得ることだと感じます。

加えて、宮口先生は以下のように書かれています。

幸せを追い求めても、歪んだ感情や歪んだ思考、歪んだ判断力などが幸せの前に壁として立ちはだかっていてそう簡単にはたどり着けない

歪んだ幸せを求める人たち より

これについては仰る通りで、そもそも自分自身の歪みに気づけていない場合も多々あるのではないでしょうか。

幸せの壁を乗り越えるには、適度な自己愛、所有欲、判断力が必要で、さまざまな怒りの気持ちや嫉妬心を抑える自制心が必要だとも書かれています。

逆にこれらが暴走してしまうと、嫌がらせ行為になったり、犯罪行為にまで至ってしまうこともある・・・。

様々なことに想像を巡らせてみると、誰もが陥る可能性があることを感じずにはいられません。

身近にある歪み(第三章より)

第三章では、身近にある歪みについて触れられています。

誰もが感じたことのあるであろう事例も多々あり、自分事として捉えられやすいため、納得感を得ることができます。

宮口先生はこのように書かれています。

直接的に歪んだ幸せを求めるわけではないにしても、怒りや嫉妬、自己愛、所有愛、所有欲、判断の歪みによって、結果として自分も他者も幸せから遠ざけてしまう。

歪んだ幸せを求める人たち より

以下、私の印象に残ったところです。

勘違いによる怒り

自分のものがなくなったとき、「誰かに盗られたかも」と勝手に勘違いして怒りが生じる例。

時間をあまり気にしない人

「自分は期限を気にしない」と言って約束を守らない例。

自己愛性パーソナリティ障害の「自分が“特別”であり独特」「共感の欠如」「特権意識」などに近いものがあるのを感じました。

歪んだ幸せを求める人たち より

よかれと思ってありがた迷惑に

支援物資に加熱が必要な食材や冷凍食品、使い古しの下着が含まれ、かえって手間や廃棄につながるケース。送った人に悪気はないのかもしれないけれど・・・。

「みんなと同じでなくていい」

個性を尊重しすぎるあまり、逆に子どもの強みを潰してしまう場合。

さまざまな手を尽くしても勉強がどうしてもできない子には、“させてはいけない努力”もあるとは思います。しかし、もしわかりやすい勉強方法などをまだ十分に試してない段階で「みんなと同じでなくていい」といった無責任な声を子どもにかけるとしたら、声をかけた人はその子の力を十分に引き出せないばかりか可能性を潰してしまっているかもしれません。

歪んだ幸せを求める人たち より

判断こそが分岐点

そもそも人間は様々な感情を抱く動物です。

多少“過ぎる”感情を抱いたところで、問題に発展するわけではないのでしょう。

分岐点となるのは“判断”なのだと、書籍を読み改めてわかりました。

私が冷静な判断を下せない過酷な状況下で、判断するのに十分な時間がなかった場合、私は咄嗟にどんな判断を下すだろう・・・。

そんなことを想像してみると、「私は絶対に歪んだ判断はくださない」と自信を持っては言えません。

ここまで書いてみて強く思うことは、以下の3点です。

  • 二項対立で割り切れることはほとんどない
  • 何事も“程度”が問題になる
  • 少々過ぎる・少々足りないことが、むしろ強みになることもある

まとめ

以下、本書を読んだまとめです。

  • 幸せを求めること自体は自然な欲求だが、歪むと問題行動につながる
  • 日常の些細な歪みも見逃さず、自分や他者への影響を意識すること
  • 「幸せでいなければいけない」という固定観念に気づく

この本を通じて、私は「歪んだ幸せ」を求めることから距離をとることが、穏やかな日々を生きる上で大切だと改めて感じました。

そもそも人は幸せでいなければいけないのだろうか?という点について改めて考えさせられます。

宮口先生は「幸せでいなければいけないという考えも、立派な固定観念です」と述べていらっしゃいます。

この一文にハッとさせられた私は、“幸せでいなければ”という固定観念に縛られていたのだと思います。

気になる方はぜひ一度お手にとってみてください。

もりー

最後までお読みくださりありがとうございました!

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