アルケミストは、少し読みにくい・・・これが正直な感想です。

だから、1度や2度Audibleで聴いただけで抱いた感想はあまりにもぼんやりとしていて、こうして文字に起こすことはできませんでした。

今回、初めて文庫本を読んでみたことで、こうして感想を書くことができています。

それでもまだまだつたない感想になってしまいそうですが、今の私が抱いている思いを素直に書いてみようと思います。

\Audibleで『アルケミスト』を聴きました/Audible

『アルケミスト』は、普段は忘れて過ごしている大切なことを思い出させてくれる

年を重ねるにつれ、夢を抱くことを忘れてしまいがちです。

なんなら、「夢は無理に抱く必要もない」というような風潮すら感じる今日この頃。と書いている私自身もそう思うひとりです。

しかしそれは、今の日本が平和だからこそなのかもしれない・・・そう思ったりもします。

  • これ以上を求めなくても、それなりの人生を歩める
  • 下手な賭けに出て失敗するより、無難な人生の方が良い

多くの人が、そのように感じているからではないでしょうか。やはり、私自身もそのひとりです。

そして、それ自体が決して悪いこととも思いません。

でも、こんなにも平和で豊かな国になっても、人々がどこか満たされない何かを抱えて生きているように見えるのは、私だけでしょうか。

むしろ今は、夢も希望も抱きにくい時代になっているように感じます。

平和な時代だからこそ現状維持が可能になり、だからこそ、リスクを背負った挑戦は控える。

でも・・・

一度きりの人生、私は本当にこのままで良いのか?

と改めて考えさせられた1冊でした。

現代版ワークライフバランスの真理?!

賢者が少年に二滴の油が入ったティースプーンを渡し、

賢者

宮殿の中を歩き回る間、このスプーンの油をこぼさないように持っていなさい

と言う場面があります。

2時間後、賢者のもとに戻った少年に対し、賢者は宮殿の様子について尋ねます。

賢者

宮殿の様子はどうだったかね?

すると、油をこぼさないようにすることに注意していた少年はこのように答えます。

少年

実は何も見ませんでした。

そんな少年に対し賢者は、

賢者

では戻って、わしの世界のすばらしさを見てくるがよい

と言いました。

ほっとした少年は、スプーンを持って宮殿を探索しに戻りましたが、次に賢者のところに戻ったときには油は消えてなくなっていました。

油がない・・・

少年に対し、賢者はこのように言います。

福の秘密とは、世界のすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ

アルケミスト より

この言葉は、現代で言えば“ワークライフバランス”に近いと感じました。

目の前の責任(油)だけに夢中になっても、楽しみ(宮殿)だけを貪っていても偏ってしまう・・・。

これは、“楽しむこと”“やるべきこと”どちらも大切にして生きることを示唆するエピソードのように思います。

当たり前のようで実践はむつかしい、かつ、深い真理です。

アルケミストに書かれている「マクトゥーブ」|為せば成る×ハクナ・マタタ

物語に何度か登場する「マクトゥーブ」は、“書かれている”という意味だそうです。

これについて私は、このような運命の流れを表している言葉として受け取りました。

叶うことは叶うし

叶わないことは叶わない

ただし、これは

  1. 流れに身を任せてさえいれば願いは叶う
  2. 足掻いても無駄

というような極端な考えではありません。

努力を続けることは必要。

しかし、すべてをコントロールしようとせず、巡り合わせに委ねる“ゆとり”も大事。

そんな感覚に近いと思います。

私は「マクトゥーブ」について、このような言葉の掛け算だとも感じました。

為せば成る 為さねば成らぬ 何事も

ハクナ・マタタ

少し強引でようか。笑

でも、いつの時代も通用する生き方のヒントのような気がしてなりません。

真理を示す言葉たち

ここからは、物語の中で特に心に残った“普遍的な真理”を示す言葉をご紹介します。

適切な距離感と「存在理由」を教えてくれる太陽のセリフ

「わしのいる場所からは」と太陽が言った。

「大いなる魂を見ることができる。それはわしと連絡をとり合って、共に植物を育て、羊に日陰を探させるのだ。わしのいる場所を通してー地球からはずっと遠くなのだがーわしは愛し方を学んだ。もし、わしがここから少しでも地球に近づくと、地球のすべての生きものは死に絶え、地球の大いなる魂は存在できなくなってしまうことを、わしは知っている。だから、われわれはお互いを思いやっているのだ、そしてお互いを必要としている。わしは地球に生命とぬくもりを与え、地球はわしに生きてゆく理由を与えているのだ」

アルケミスト より

人間関係でもまったく同じことが言えると思います。

たとえお互いが必要としている者同士であったとしても、適切な距離感の大切さを教えてくれます。

どんなに親しい間柄であっても、距離感を間違えるとその関係性は崩壊してしまうから・・・。

それぞれに役目があることを示す言葉

鉄は銅と同じになる必要はなく、銅は金と同じになる必要もないとも大いなる魂は言っていた。それぞれはかけがえのない存在として、それ独自の役目を果たしている。

アルケミスト より

自分の役割は見つけにくいときもありますが、“小さなことの中に自分の役目を見つける癖”は大切なのかもしれません。

今の私は、子どもたちの健全な成長を支える役目がある、と感じています。

少年が語る愛|自分が変われば世界も変わる

愛とは砂漠のように動かないものではないからです。また、風のように動きまわるものでもありません。愛は、あなたのように、すべてのものを遠くから見守っていることでもありません。愛とは、大いなる魂を変え、より良いものにする力なのです。~中略~大いなる魂もまた、他の創造物と同じであり、情熱も持っていれば争いもするということがわかりました。大いなる魂を育てるのは、私たちなのです。そして、私たちが良くなるか悪くなるかによって、私たちの住む世界は良くも悪くもなります。そして、そこで愛の力が役に立つのです。なぜなら、私たちは愛する時、もっと良くなろうと必ず努力するからです。

アルケミスト より

愛は「動かないもの」でも「振り回すもの」でもなく、自分自身をよりよく変える力である、というところが印象に残りました。

ここで言う「変える」とは、無理に自分自身を変えるということではなくものの見方や捉え方の問題を特に指しているのだと思います。

このメッセージは、とても静かですがとても強く、何度も咀嚼したくなる感じです。

まとめ|アルケミストには人生のヒントがつまっている

『アルケミスト』は、「自分はどう生きたいのか?」という問い投げかけてくれる書籍でした。

答えのない道を歩んでいる感覚がある今、私はこの物語に励まされました。

叶うのか?正解なのかもわからない道を歩む心構えが、改めてできた気がします。

Audibleと文庫の二刀流で触れたことで、視覚からと聴覚から、物語を味わうことができました。

とても贅沢な体験でした!

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