「普通の子になりたい」という長女の願い
長女は、最後に受けたIQ検査で「71」という結果でした。
軽度知的障害には該当しない。
けれども、一般的な学習についていくには大きな困難がある。
いわゆる「境界知能」と呼ばれるラインにいる娘です。
そんな長女には、長年抱えている強い学習コンプレックスがあります。
小学校5年生頃から学校へ行けなくなり、中学2年生の冬頃まで、ほとんど登校できませんでした。
そこから突然、週1回だけ中学校へ行けるようになり。
中3になった今は、2時間ほど学校に滞在できる日も出てきました。
そんな娘が最近、強く口にしていることがあります。
「全日制高校に行きたい」
しかも希望しているのは、美術科のある高校。
電車で40分、その後バス移動も必要な場所にあります。
私は正直、とても悩みました。
「通う」だけでも、高いハードルがある
勉強の問題だけではありません。
毎日決まった時間に起きて。
電車に乗って。
遅延やトラブルにも対応しながら通学する。
それは、今の長女にとってかなり高いハードルです。
しかも田舎なので、電車は単線。
1時間に1本しかない時間帯もあります。
もし人身事故や悪天候で止まったら。
復旧の見込みが立たなかったら。
「いつ動くか分からない」状況に、長女は耐えられるだろうか。
長女は先の見通しが立たない状況がとても苦手です。
そして何より、想像することが難しい。
私がどれだけ説明しても、「私はできると思う」と言います。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
挑戦したい気持ちは、とても大切です。
でも親としては、どうしても考えてしまう。
災害が起きたら?
パニックになったら?
帰宅困難になったら?
「できると思う気持ち」と、「実際にできること」の間には、大きな差があることもあるからです。
学校へ行けない娘が、なぜ塾へ行きたいのか
長女は今、塾へ行きたいと言っています。
理由はとてもシンプルです。
「勉強を頑張れば、普通の子になれると思うから」
娘の言う「普通の子」とは、
毎日学校へ行き、友達と過ごし、勉強している子たちのこと。
彼女はそこに、強い憧れを持っています。
塾へ行って頑張れば。
高校へ行ける。
普通の子に近づける。
そう信じているんです。
私は何度も説明しました。
高校は「行きたい」と思えば必ず行ける場所ではないこと。
落ちる可能性もあること。
その場合、別の進路を考えなければいけないこと。
少しずつ理解はしているようです。
それでも娘は、「絶対に塾へ行きたい」と言いました。
親として、応援したい気持ちもある
先日、個別指導塾の体験へ行ってきました。
学校へ通えていない期間が長かった長女には、集団塾は難しいと思っています。
境界知能特有の「理解に時間がかかる」という特性もあります。
丁寧に、一つずつ説明してもらえる環境が必要でした。
体験へ行った塾の先生は、とても穏やかな方でした。
保護者対応から指導まで、すべて一貫して一人で行っている塾。
私はそこに安心感を覚えました。
長女も「ここに行きたい」と言っています。
もちろん、不安はたくさんあります。
本当に通えるのか。
途中で折れないのか。
高校受験で傷ついたとき、立ち直れるのか。
分からないことだらけです。
でも。
学習コンプレックスを抱え続けてきた娘が、自分から「学びたい」と言った。
それは、今しかないタイミングなのかもしれない。
私は今、その気持ちをどう受け止めるべきか、揺れています。