4月は、環境の変化に必死で、心身共にとても疲れていたように思います。

そんな私にとって、オーディブルは救世主のような存在でした。

自閉スペクトラム症の娘たちとの暮らしのなかで、私には「ひとりになれる時間」が欠かせません。

けれど現実には、それはなかなかむつかしいことでもあります。

完全にひとりになることはできなくても、自分の内側へ戻れる時間がほしい。

だからこそ、オーディブル。

ヘッドホンを装着して、再生ボタンをタップすると、目には見えないパーティションがふっと現れるような感覚になります。

  • 子どもたちの気配を感じながら
  • 家事をしながら
  • 現実のタスクをこなしながら

少しずつ脳内に作られていく物語の世界。

オーディブルを使った読書は、私にとっては「心の避難場所」でもあります。

今回は4月に触れた、8冊の作品をご紹介していきます。

\耳で味わう読書/オーディブルで聴いてみる

4月に聴いたオーディブル作品一覧

『タクジョ!みんなのみち』|大好きな夏子に癒された

『タクジョ!』シリーズ第3弾。

ドライバー4年目となった夏子に後輩ができ、少しずつ立場が変わっていく姿が印象的でした。

それでも相変わらず、夏子は「タクシードライバー」という仕事を丁寧にまっとうしている。

その姿に、今回もとても癒されました。

タクシー業界という、普段あまり知らない世界を少し覗ける面白さも、このシリーズの魅力だと思います。

そして何より、ドライバーと乗客とのやり取りがあたたかい。

もちろん、優しいお客さんばかりではありません。

理不尽さを感じる場面もあり、その描写がとても現実的で、かえって物語に深みを与えていたように感じます。

田舎暮らしをしている私にとって、都会の町中をタクシーで走る光景はどこか非日常的です。

だからこそ、耳から流れてくる情景を頭の中で思い描きながら、小野寺史宜さんの世界にどっぷりと浸る時間は、とても楽しかったです。

『どうしてわたしはあの子じゃないの』|“違い”に安心していた自分に気付く

こちらは個別記事を書いている作品です。

『雨夜の星たち』|共感性が強い人=優しい人、というわけではない

この作品では、「他人に感情移入できないこと」について考えさせられました。

共感性が低いことは、ネガティブなことなのか。

読後の私の答えは、「NO」でした。

むしろ、共感できることと優しさは、必ずしもイコールではない。

私にとって、この考え方はとても大きな気付きでした。

この作品は、決して明るい世界観ではありません。

なんとなく、暗がりの中にいるような感覚になります。

けれど、その暗さは決して不快なだけのものではありませんでした。

孤独感や、他者と簡単に共感できない感覚を、無理に明るく塗り替えない。

そんな誠実さが、この作品にはあったように思います。

「わかり合えなさ」を無理に否定せず、それでも人と人が少しずつ歩み寄ろうとする様子が、丁寧に描かれていました。

だからこそ、読了後には穏やかな気持ちが残ります。

『ブロードキャスト』|青春の熱量に引き込まれた

聴きながら何度も、

これ、本当に湊かなえさんの作品なの?

と思いました。

個人的には、なぜか朝井リョウさんの作品を読んでいるような感覚になる、という不思議な読書体験でした。

放送部という題材も新鮮で、青春特有の熱量や不器用さがとても心地よかったです。

  • 好きなことに夢中になれる時間。
  • 仲間と何かを作り上げていく感覚。

そんな学生時代ならではの空気感が、とても瑞々しく描かれていました。

聴きながら、ふと

私にはやり残したことがあったのかもしれない

と脳裏をよぎることもありました。

だからこそ娘たちには、「今しかできないこと」に、全力で挑戦してほしい。

失敗しても、遠回りしても、その時間そのものが、財産になるのだと思います。

『イン・ザ・メガチャーチ』|“無宗教”で人は生きられないのかもしれない

すれ違い続ける人間関係に、もどかしさを感じ続けた作品でした。

そして最後。

思わず心の中で「ひーーっ」と叫んでしまった。

人間の脆さや、今の社会に漂う空気感の描写がとても見事でした。

無宗教と自認する人が多い日本。

しかし、本当に「無宗教」なのだろうか。

人間という生き物は、
絶対的に信じられる何か
を求めてしまうのかもしれない。

  • 安心できる場所。
  • 揺らがない価値観。
  • 「これが正しい」と言い切れるもの。

そういったものに、知らず知らずのうちに支えを求めている。

そんな現実を突きつけられた気がします。

簡単に答えの出る作品ではありません。

だからこそ、一度読んだだけでは終われない。

再読必須だと感じた1冊です。

『熟柿』|他者を断罪することも救済することもできないという現実

全体的に薄暗い空気に包まれている物語でした。

序盤は何度か離脱しそうになったのですが、中盤からの没入感がすごかった。

この作品を通して考えたのは、「罪を償う」ということの難しさです。

そして、「被害者」「加害者」というラベルの強烈さ。

一度貼られたフィルターは、簡単には剥がれません。

その重たい現実が、胸に残る作品でした。

本来、誰かを完全に断罪することも、簡単に救済することもできないはずです。

それなのに、

誰かを勝手に救おうとして、
思うように受け取ってもらえず、
勝手に傷つき、
落ち込んでしまうこともある。

「相手のため」と思っていたはずなのに、気づけば、自分自身の理想や正しさを押しつけてしまっていることもあるのかもしれません。

けれど、本当の真実を知っているのは当事者だけなのだと思います。

外から見えているものだけではわからない感情や事情が、きっとある。

当事者にしかわからない苦しさや、願いがあるのだと感じました。

だからこそ、この作品を簡単に「善悪」では語れない。

読み終えたあと、「主人公の未来が少しでも報われてほしい」と願いたくなる作品でした。

『BUTTER』|“満たされなさ”の正体

こちらも個別記事を書いている作品です。

『殺し屋の営業術』|何事も紙一重であるということ

営業のリアルな描写が、とても興味深かった作品です。

タイトルのインパクトは強いですが、単なるエンタメでは終わらない感覚がありました。

人殺しなどの描写が苦手な方は、少し抵抗を感じるかもしれません。

主人公である営業マンの話術に触れているうちに、

「人の心を動かす」という意味では、
詐欺師とトップセールスマンは
紙一重なのかもしれない。

そんな考えが、脳内に浮かびました。

  • 信頼を得ること。
  • 相手の欲求を見抜くこと。
  • 言葉で行動を変えさせること。

これらは使い方次第で、善にも悪にもなってしまう。

また、「かたぎの世界」で生きづらさを抱えた人が、闇社会で能力を発揮することもある。

道徳や倫理観だけでは割り切れない現実について、考えさせられる作品でした。

この世の「常識」は、立つ場所によって変わる。

そんな当たり前の事実を、改めて痛感しました。

答えの出ない感情に向き合った4月

4月に聴いた作品たちは、どれも「人」を描いていた気がします。

  • 優しさ
  • 信仰
  • 償い
  • 承認欲求
  • 生きづらさ

簡単には言葉にできない感情ばかりでした。

物語を通して誰かの人生に触れることで、自分自身の価値観も揺さぶられていく。

オーディブルは、「読書する時間がない人」のためのサービスというだけでなく、

忙しい日々の中に
立ち止まる時間を取り戻してくれるもの

なのかもしれません。

忙しい4月でしたが、物語に支えられた1ヶ月でした。

これらはすべて、オーディブルで聴くことができます。

気になる作品があれば、ぜひ一度触れてみてください。

\耳で味わう読書/オーディブルで聴いてみる

もりー

最後までお読みくださり、ありがとうございました☆